死亡届に記された字とは違う

姉は担当と打ち合わせを始める。喪主は長男の俺、祭壇はいくらにする、棺はどうだとか、決めなければいけない事が沢山あるんだろうが、よくしゃべる。

俺一人だったら、何にも出来なかったかもしれません。二人の話を背に、ぼんやり死亡届を見た。原因は膵臓癌、そう書かれてる。

ネットで調べれば、あんまり自覚症状が出ないようで、発見が遅れやいす病名。でも傍目から見れば、あまりにも急激に痩せた事が分かる。

それは定年と離婚が原因だと考えてた、回りの人間や本人でさえ。死亡届には手術日も書いてある。腹の皮を切っただけとゆう手術。

医者は手の施しようがありませんと、俺達に告げた。そして本人には、これで治ると伝えられる。

死亡届からは、決して読み取れない事実。退院は叶わなかったが、それから1カ月は、初めて親子らしい、最初で最後の時間を過ごす。

俺バーテンの仕事やら、彼女の事を話す。父はそれ程興味がなさそうに聞き、話しを止めると続きを催促する。死亡届を見つめつつ、思い出す。